過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」 その3
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342:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga sage]
2013/09/26(木) 23:30:52.33 ID:VsZoKgEE0
「……てめえ、その足、治っているのか」

「あんたは、どう思う?」

問うまでもなかった。
既に男の中で答えは出ていた。
どんな手品を用いたかはわからないが、治っている。
少なくとも戦いに支障のない程度には回復しているのだ。
でなければ、あの痛烈な一撃に耐えきれるはずがない。

薬か何かで痛みを消している可能性も考えたが、すぐに思い直した。
痛覚を鈍らせたまま自分とここまで渡り合えるはずがない。それくらいの自負はある。

足を一瞬浮かせて踏み込みを和らげたのはフェイント。
あるいは、痛みをこらえるような表情を作ったのも。
怪我が完治か、限りなく完治に近い状態であることを、こちらに悟らせないために。
ありもしない弱点を捏造し、狙い通りに相手を、つまりは自分を誘い込み、まんまと一本せしめた。

自分の発言に上条が垣間見せていた怒りの形相すらも、今となっては本物かどうか判断がつかない。
その事実を認識し、男は背筋が泡立つのを感じた。
まるで、異国で初めて銃を突き付けられたときのように。


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