過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:25:44.36 ID:EaOumZa8o

 彼女は不格好に海水を掬っては舞い上げていた。
「ショコラ!」
「うわっぷ!」
 僕の顔に海水が掛かる。しょっぱい。

 僕は呆れて笑う。
「子供じゃあるまいし」
「あ、なに大人ぶってんの」
「女の子なら女の子らしく慎みを」
 とそこまで言って、注意の逸れた彼女に海水を蹴りあげる。

「あ! 何すんのよ!」
 僕はその時には退避を始めている。笑いながら。
「この!」
 ヒナは見ずに濡れた砂を丸めて僕に投げてきた。
 多くは外れるがいくつかは当たる。
 僕は逃げながら笑い続けた。彼女も笑っていた。

 ああ、なんで最後に限ってこんなに楽しいんだろう。



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