過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 05:27:22.95 ID:EaOumZa8o

 考える間をおいて、彼女は答える。
「まあまあかな。人生の前半はいまいちだったけど、後半の追い上げがすごかった」
「奇遇だね、僕も同じだ」
 深呼吸する。
「終わりよければすべてよし。だから、セックスなんて大したことじゃないのさ」
 したかったけどね、とこっそり付け加えた。

 ますます水平線が明るくなる。もう間もなくだ。
 一日の始まりを告げる朝日が、僕たち吸血鬼にとっては終わりを告げる朝日が昇る。
 彼女が急に立ち上がる。
「ショコラ、愛してる!」
 僕は微笑む。
「もう聞いたよ」

「ううん、言い足りない。もっと言う」
 彼女は海に叫ぶように繰り返す。
 愛してる、愛してる、愛してる。

 フェアじゃないな。僕は思いたって立ち上がる。
「ヒナ、愛してる!」
「知ってたよ!」
「そいつは良かった! 愛してる!」

 空が照らされた。夜が明ける。
 輝かしい、目をつぶさんばかりの朝日が水平線の彼方から昇っ――



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