過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 19:51:48.77 ID:H5xsxe7ro

……

 目を覚まして最初に見えたのは、ホテルのそれなりに広い天井……ではなかった。
 安アパートのひどく狭苦しい、薄汚れたそれだ。
 僕はしばらくの間、その表面に浮かんだ染みをぼんやりと見つめていた。

 あれは……なんだったんだろう。
 夢でなかったことは断言できる。
 あれが終わった後ホテルを出て終電間際の電車に乗ったことはしっかり覚えていた。
 財布が二千円分軽くなっているのも間違いないはずだ。

 ただ、行為の最中のことは記憶に靄がかかったかのようではっきりとは思い出せない。
 とても甘美でゆるゆると生温かい感触だけが肌に残っている。
 悶えるほどの快感の名残だ。

 ひどく疲れていた。
 いやたいていいつも疲れているけれど、それよりさらに身体が重い。
 まるで精気をあらかた吸いとられてしまったようだった。



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