過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/25(日) 19:54:30.74 ID:H5xsxe7ro

 昨日と同じ夜八時。
 僕は徘徊者よろしくあのホテルの前を行ったり来たりしていた。

 例のごとく暗闇があちこちにはびこる狭い道路。
 そんなところをうろうろしていれば朝以上に怪しいはずだった。
 そのことをようやく自覚しながらも、やっぱりやめることだけはできそうにない。

 三階の窓を見上げる。
 カーテンは分厚く、明かりは灯っているようにもいないようにも見える。
 つまりあの少女があの部屋にいるかどうかは分からない。

 僕はぐずぐずと道路を十往復ほどした。
 それからさらに数分悩み、考えに考えを重ねた後、ようやく決意を固めた。
 ホテルの入り口、薄明るいそちらへと足を踏み出した。

「ねえ」
 背後からの声に僕は肩を大きく震わせた。
 泡を食って振り返る。
 冷たい視線がこちらを真っ直ぐ捉えていた。
 昨日の少女がそこにいた。



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