過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/24(土) 19:18:45.13 ID:9gYYSLduo

 と、その時頬に冷たい何かが触れた。
 僕は反射的に空を見上げる。
 その額にまた小さなしずくが落ちた。雨だ。

 小雨は降り始めてすぐ勢いを強めた。
 僕は急ぎ足で建物の下に避難した。
 雨粒が地面で強く跳ねる。
 やむ気配はなくさらに激しくなっていく。

 苦々しく空を見上げた。
 あいにく傘は持ってきていないのだ。我慢して走ろうにも駅まではまだまだ距離がある。
 ついてない。何もこんな気分の時に意地悪することはないじゃないか。
 途方に暮れて、重い身体を建物の壁にもたせかけた。

 声が聞こえたのはその少し後だった。
「ねえ」
 いきなりの声に僕は驚いてそちらを振り向いた。
 建物の入り口に少女がいた。



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