過去ログ - 吸血少女と待つ夜明け
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56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/29(木) 07:44:12.32 ID:4qp9y0uQo

「ああ、ヒナちゃんね」
 フロントの男はモップ掃除の手を止めないまま答えた。
「いつもあんな感じだよ」

「あんな、感じ……」
 からからになった喉からは乾いた声しか出ない。
「そう。男をとっかえひっかえ……って程じゃないか。まあいろんな奴を連れ込んでヤってる」

 僕は壁に寄りかかった。
 身体から力が抜けそうになったからだが、男は気づかなかったようだった。
「かくいう俺も誘われたことがあったけどな。笑えるだろ?」
「いえ全く」
 白髪が多い男が言っても冗談にもならない。
 顔が険悪にゆがむのを自覚した。

「したんですか? その……彼女と」
 訊ねると、男は手を止めてこちらを向いた。
「どう思う?」
 知るものか。知りたくもない。



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