108:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/08(日) 22:49:25.64 ID:2521BJxyo
その精一杯を言葉にして、扉を開いて家を去ろうとした時である。扉が鉄のように重くなった
開かない、こんなにくたびれて壊れそうな扉だと言うのに、力を入れてもそれは開いてくれない。
ならば蹴飛ばす? そんな事は出来ない。ではどうしようと、私が扉と格闘している最中であった。
「……アスタルテ、今だよ、奇襲を!!」
「そ、その声、サナ様でありますか!?」
「そうだよ! だから早く、この盗人に奇襲を!!」
「あのぉ、サナ様、あちし、変身技能しか持たない身でありますので、防御0に攻撃1、実質ゴミ以下の存在であります。
……何も出来ないでありますよ?」
「し、しまったぁ! アスタルテの戦闘能力が皆無なのを忘れていたッ! な、なら、この私がッ!!」
何だろうこれは、突然のコントに呆然とする私であったが、次の瞬間、扉が勢い良く開かれ、それに額を打ち付ける羽目となってしまう。
流石にちょっと痛いと、おでこを擦りつつもその張本人を見れば、やはり先程ぶつかって来た少女が、怒りを露にしていた。
「こ、こんな何も無い家に、何を盗みに来たって言うんだ! ま、まさか、竜原石が狙いで!?」
「え、えっと……、アスタルテ、事情を説明してくれない?」
「あ、あちしがですか!? んーでも、難しいと思うであります。サナ様、お怒りになると周りが見えなくなるでありますから」
「竜原石が狙いの盗人、そしてアスタルテまでをも誑かし、弄ぶ罪人……。
もう許さない、この私が何があろうとも、竜原石を、そしてアスタルテを守り抜くッ!!」
「……確かに、思い切り勘違いしてくれてる挙句、周りを見てくれていないわね……」
呆れた私は、ただサナと呼ばれた少女を眺めるしかなかった。しかしそれは油断に繋がった。
気付けば直ぐ傍まで接近され、喉元を掴まれてしまう。その動きの早さに追いつけなかったのもあるが、何よりこの握力に屈しそうになる。
「一つ、良い事を教えてあげるよ。私、こう見えても竜族のハーフなんだ。だから……ステータスは運以外20だよ!!」
「ぐ、うぅ………が、ぁ……!!」
「そのまま、窒息して死ぬといいよ……罪人!!」
「ま、待つのでありますよ〜サナ様ぁ!!」
サナの右手が、喉元に食い込んでくる。たった数秒で最早気を失いそうになる私を救おうと、アスタルテがサナを止めようと動き出す。
そうして、彼女がサナの右腕にしがみついた瞬間、>>109
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