188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/09/22(日) 21:27:26.44 ID:Kr36DnSIo
風霧零音、彼女毎空間を掴み、圧縮するように拳を握る。それだけで空間は抜け落ち、彼女は……無となってしまうのだ。
無に帰す行為、それは私にとって虚しさ以外の何物でもない。爽快感が皆無なのだ。
ただ、空間を掴んで消すだけ、その行為に面白味を感じれるほうがおかしい。……それも、私だけなのかもしれないが。
「……ッ! よ、よくも……親友を……!!」
「ふぅん、こっちは木刀なんだ。……もうちょっと面白い武器を持ってきてよ、例えばロケットランチャーとか!」
「……そう出来ればそうしていた。けど、持ち出せるものはこれしか無かった……!」
「出直して来てもいいんだよ?」
「そうはしない。……親友を消し去った怨みを、今晴らしたいから」
「ふぅん、そっか。……少しは私を楽しませてね? 葉月サン」
彼女は、私が苗字を呼んであげてもぴくりともせず、ただこちらに殺意だけを向けていた。
たった一人、人を殺しただけなのに、どうしてこうも静かに怒りを燃やせるのか不思議であった。
所詮は人は一人なのだから、他人の為に命をわざわざ無に帰す行為に走る彼女を見て、つい笑みが零れてしまう。
「……フフ」
「何が、可笑しい……!」
「私ってね、実は過去に数万、ううん、数十万の命を奪ってきた人間なの。けど、仇を打とうと闘志を燃やす人って、あまり見なかったなって」
「……ふざけていられるのも、今のうち!!」
彼女が瞬時にこちらへ迫り、木刀を突き出す動きを見せるものだから、先に木刀だけを消し去ろうと思いついた私は、拳を握る。
繰り出される突き、その前に木刀が消えたせいで、彼女は前のめりになっては、私の方へ転ぼうとしてしまっている。
ついでだから、彼女の>>189も消してしまおう。
1002Res/683.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。