過去ログ - むりやり小説ゲーム 三番館
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220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/09/28(土) 21:06:16.38 ID:FKcWd/xSo

簡単な首吊り講座、なんてサイトを眺めて思う。いよいよ人生行き詰り、命を此処で終えようとしている。
心は完全に折れていた。最早生きる気力を感じられず、死について色々探ったり、準備を整えたりと行動を進めていた。

企画事務から営業に飛ばされ、成果を一切挙げられず、そして成績を上手に残せないままリストラされる事になり、
今更水なんて売れる訳ないだろうと心の中で様々な文句を垂れながら、上司に頭を下げて会社を去る。

それから数週間、歳が歳でありながらも、まさか十年以上も勤務していた会社が早々にクビを切りには来ないだろう。
そう踏んでいたのが運の尽きだったのかもしれない。貯金もまともに残しておらず、再就職先も難航、
何より、四十路前で資格が揃っていない個人ステータスでは、何処に就職先があろうか。

「終わったな……俺も」

乾いた言葉が部屋に響いた。クビになってからまともに部屋の掃除を行っておらず、ゴキブリが這い回っている。
時折何かが腐った臭いが舞ったりするが、最早そんな事も気にならなくなった。
不思議と人間、何でも慣れてしまうもので、しかし生きる希望を見失った俺は、首吊りサイトを回りつつ、あるゲームを動かしていた。

「魔法少女☆オンライン……どぅひ、どぅひひひぃ……!!」

最高だった。そのオンラインゲームに没頭している時間はあっという間に過ぎ、僅かな貯蓄を食いつぶし、
いよいよ人生残り僅かとなっても尚、俺に癒しを与えてくれる至高のゲームである。

「しっかし、人はほんといないんだよな……。よくサービス続けられるもんだよ」

そう呟きながら、マイキャラのネカマキャラである、金髪ツインテール少女を走り回らせ、パンチラを眺めて涎を垂らすのである。
こんなキャラに感情移入しては、一喜一憂するのも残り僅かだと思うと、やはり心残りではあるのだが……。

金策が立てられない。生きる術が立てられない俺はもう、どうしようもなかったのだ。

「……この光景ももう見られなくなる―― ん、珍しく人がフィールド上に居るな……話しかけてみよう」

最後に会話を交わしたのは何時だろう。覚えがないくらい前であろうが、チャット上であってもそれは会話となるのか疑問でありながらも、
俺はフリフリしたワンピースを着た少女キャラに、>>221とタイピングして話しかけたのである。


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