47:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/07(土) 22:18:25.10 ID:1vEtWVYko
私を、そしてスライムの危機を救った形になるその魔法、そしてその使い手は、腰に手を当てて満面の笑みを見せた後、
リザードマンがこんがり焼け上がったのを見て……「いい焼き加減だ、こいつは食えないのが残念だ」と言った。
確かに魔物を食す、なんて文化は私達には一切無いのだが、食糧事情の問題もあり、一部の部族では魔物を食事にしている所もあるらしい。
しかしそれは所詮噂。紫煙に侵食された存在を食せば、いくら火を通せども人の身体が犯されてしまうとされている。
「貴方、確か……」
「娘が世話になっている。少々、案内を頼まれてな。無論、娘も一緒だ」
「やほやほっ、パンツ貰いにきたよ!!」
「いきなりの挨拶がパンツって、あんたねぇ……」
「コホン、ヴィヴィ……少し黙っていてくれんか? 私が話出来ないであろう?」
「……そだね、ごめんね、パパ」
ヴィヴィ・ブリリアント。そしてその父であるネイディ・ブリリアント。その二人がこの村を訪れるのは珍しい事であった。
娘であるヴィヴィとは幼少の頃から仲が良く、よく遊んでいた馴染みの深い友である。性格、及び性癖に問題はあったのは昔からであった。
しかし、そのヴィヴィも今回ばかりは大人しく、父に従い口を閉ざしているところを見ると、
何やら良くない知らせでもあるのかと、私はその父であるネイディに向き直った。
「……今回、私はオズワルドの特使として君に会いに来た」
「特使!? どうして、農民である私なんかに……国が?」
「君の兄、ゲオルグについてだ。……魔王が打ち倒されたのは、皆も知る限りであろう。
しかし、南方大陸はいずれ紫煙が包み、魔物も絶滅するどころか、今も増大しつつある」
「……それで、兄は……?」
「……勇者、そしてその仲間全員、魔王を打ち倒した後、行方不明となった。その件で、オズワルドの女王が話があるそうだ。
近々、城下町のほうへ足を運べないだろうかと、私が此処へ参った訳である」
ネイディさんが私にそう話した時には、既に頭の中は真っ白に近かった。
兄が行方不明? そんな事を聞かされたら、>>48という状態に陥ってしまうではないか。
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