49:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/07(土) 22:29:29.56 ID:1vEtWVYko
ネイディさんが私にそう話した時には、既に頭の中は真っ白に近かった。
兄が行方不明? そんな事を聞かされたら、ショックで着ているものを全部脱ぐという状態に陥ってしまうではないか。
シリルも情緒不安定な分類に属するだろうが、私もそういった傾向があるらしい。
ショックを受ければ、突然笑い出したり、おかしな事を言ったりするのはヴィヴィ曰く、当たり前らしく、
今回は相当に精神的打撃を受けた事により、着ていた衣服を全て脱いでしまっていた。
「……ヴィヴィ、彼女はいつもこうなのか?」
「ううん、でも今回の件は仕方が無いかも。……白パン、げっちゅ!」
「これ、ちゃんとお返ししなさい。それよりも、彼女を正気に戻すほうが先であるな……」
「ねぇ、パパ。色々と口では言っているけど、フィアの事ガン見なのはどうして?」
「コホン!! ……ともあれ、彼女を家に連れ戻してあげなければな。ヴィヴィ、彼女に衣服を」
「はいはい。ノーパンのまま気付かれないように戻しますよっと、ふふふ」
白い世界を彷徨っていた。何も考えられない世界、何かを視界に捉えているのに、頭の中で理解が出来ていない。
兄が行方不明という衝撃を受けた私は、今も尚その白い世界をふらついていた。
その中で、ヴィヴィが臭いを嗅いだり、身体を舐めてみたりと私の様子を伺っていたようだが、私の記憶には残っていない。
「お姉ちゃん!? 気がついた!?」
家族の、愛する妹の声がして、正気を取り戻すのように身体を起こす。すると、私の頭の上に青い物体が乗りかかってくる。
「みぃ、みぃ!」
「さっきのスライムに、シリル……」
「ヴィヴィさん達が家に運んできてくれたんだよ? 何があったのかは……大体聞いた……」
シリルもショックを受けた筈なのに、魔翌力を暴走させず留まっているのは、日々の精神修練の賜物なのだろうか。
そして、私が目覚めた事に気付いたネイディさんが、テーブルに茶が入ったカップを置いて、改めて私に問うのである。
「……女王メリエッタに、謁見してくれるか?」
『オズワルド城下町 南門』
城下町は、冒険者で最近賑わっている。その理由は簡単だ、国が冒険者を招き、優遇する政策を執っているからだ。
なんでも、冒険者として国に貢献した暁には、>>50が与えられるらしい。
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