過去ログ - むりやり小説ゲーム 三番館
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51:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/07(土) 22:39:18.36 ID:1vEtWVYko
城下町は、冒険者で最近賑わっている。その理由は簡単だ、国が冒険者を招き、優遇する政策を執っているからだ。
なんでも、冒険者として国に貢献した暁には、貴族の地位が与えられるらしい。
成り上がり、それは貧乏人の類に属する私でも憧れる地位であった。そして、それを狙いに活躍しようと意気込む冒険者はやはり多い。

「では、城へ向かおうか」

「あの、私も一緒で……良いんですか?」

「この問題はエーミット家全体の問題となるだろう。シリル、君にも話を聞く権利は与えられるであろう」

ネイディさんと話を交わすシリルを、私は歩きながら見つめていた。
兄は行方不明、そして生死は分からない状態。いずれ兄は戻ってきて、私の営む農場を手伝ってくれると信じていた。
しかしそれが裏切られそうになっている。生活はどうなるのだろう、シリルは、私を手伝ってくれるだろうかと、不安が渦巻いていた。

本音を言えば、シリルを学校に入れてやりたいという気持ちが強かった。しかし、稼げる額は私一人では僅かであり、
毎日の食事にありつけるだけで幸福だと思わざるを得ない形になっている。

それだけでは賄えないと、私も村の自警団に所属し、腕を振るう事もあったが、そこで得られる賃金もまた、消えていく。
やはり世の中お金が全てなんじゃないかと、青いスライムを突きながら呟いていた。

「ねぇ、ミィコ。あんたは……家族って居るの?」

「みぃ?」

「ごめんね、私の言葉、分からないよね……」

「みぃ……」

スライムにミィコという名前を与え、それについ語りかけてしまっていたが、やはりそれが人語を話して答えをくれる訳ではなく、
私は将来の不安を抱えつつ、若き女王であるメリエッタと謁見する事となるのであった。

女王は幼さを隠せないながらも、どこか気品が溢れ美しい。と言いたいのだが、何分私よりも年下に値する年齢。
やはり年齢が表に出てしまい、幼稚さの方が気品を上回ってしまっている。

「そなたがフィア・エーミットか! 確かに兄に似て……>>52のようだなっ!」


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