522:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/12(土) 23:54:39.67 ID:96jBVZMxo
ヴェルド(あの地には……蝶の魔女が住まうとされている筈)
ヴェルド(この世界、この大地、そして死神や人々を生み出した神の如き存在……)
兵士A 「どうしたのですか、ヴェルド様」
ヴェルド「……聖女捜索は打ち切りとする。全軍に伝えよ」
兵士B 「し、しかし! 聖女様を失えば、我々は死神に対抗する力が完全に失われた事に……」
ヴェルド「諦めた訳ではないよ。……この先は私が一人赴こう」
兵士A 「で、ですがそれは危険では……!」
ヴェルド「国に、私の家族に伝えてくれ。私は勇敢に戦って、死んだとな――」
―― 不可侵の地、それは死神の大地の中央に位置し、それはまるで死神にその土地を守らせるように作られた場所。
そして、死神達もまたその場所に訪れることも無く、踏み入ることも無く、そして少しでもその場に足を踏み入れることさえ、禁忌とされていた。
その地は然程広くも無く、かといって迷い込んだら最期とも云われる場所。そこへ、夏川彩菜ともう一人の騎士は足を踏み入れる。
彩菜 「……本当に、軍を勝手に抜け出して大丈夫なの、エリス」
エリス 「大丈夫かと言われれば、当然罰せられます。ですけど……リョウトという存在を想うサナを見ていると……」
エリス 「私の心すら締め付けられて、辛いのです。……だからかなり無理をしましたが」
彩菜 「いいえ、ありがとうエリス。……私の側用人だなんて立場になって、辛い思いをしたんじゃ」
エリス 「第一次侵攻作戦。それが失敗に終わり、サナの存在を聞いた私がそのような大任……と思いましたが」
エリス 「今ではサナの事を知れて、そしてサナと共に行動できて、私は武人として誇りに思います」
彩菜 「でも、武人と言う割には魔法の方が得意なんだよね?」
エリス 「ま、まぁ……それは……」
その地に足を踏み入れることは容易であった。彩菜もエリスと名乗る騎士も、その蝶の魔女が住まう土地を進んでいく。
しかし中腹に向かうにつれて、次第にエリスの足取りが重くなる。それを、彩菜が庇うように彼女を支えていた。
彩菜 (ここの空気……凄い濁り。これでは毒そのもの……)
彩菜 (……私達の世界にある空気に似てる……。……そう、あの>>523の臭いだ……)
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