664:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/20(日) 00:25:08.37 ID:VDpT+834o
小夜 「さてどうしたものかしら。……学校には出るとして、一先ず……頼れる保健教師に相談するのが先決ね」
小夜 「まぁ、頼れるって噂の範疇だけど、あの男、イケメン過ぎて寧ろ怪しいみたいな……。って、それはどうでも良いわね」
小夜 「それより支度支度っと。後、時間を合わせて恋と一緒に登校しないと! はぁ、忙しいわ!」
―― 通学路。恋は酷杉学園女子高から家が比較的近い為、徒歩でやって来る。
大体は妹の愛ちゃんと一緒なのだが、今朝はどうやら一人きりらしい。その背中は小さくて、寂しそうにも見えた。
だからこそ、少しだけ声を高翌揚させては彼女に話しかけ、いつもの笑顔に包まれて学校へ向かうのだ。
鳥羽 「……ふむ、なるほどねぇ。小島さんは一つ上の先輩、橘さんが心配だと」
小夜 「ええ、まぁ。おかしな話ですが、もしかすると行方不明ではないかと心配で」
鳥羽 「橘さんは、今朝見かけたよ。今日も試験日なんだから、小島さんものんびりしていちゃいけない」
鳥羽 「うっかり赤点なんて取ってごらん、その日で追試を受けさせられちゃうからねぇ」
保険教師の鳥羽先生は、白衣を着て、柔和な態度で私に接してくれた。これもまた人気の秘密なのだろう。
誰隔たり無く柔和な態度で、生徒を安心させる術を持っている。だからこそ好かないというのもあった。
しかし、彼の嫌味を一つでも言ってみよう。すると途端、他の女子生徒から嫌味を叩かれる事になる。
女子社会は複雑だ。なんて下らない事を思いつつも、三年生の教室、橘瑞希が属するクラスへ足を運ぶ。
そして言葉を詰まらせた。彼女は普通に登校してきており、その笑顔は変わらない。
小夜 「なのに……いつもと変わらないのに、なんで……」
小夜 「こんなに、悪寒するんだろう。こんなに震えてしまうんだろう」
瑞希 「ふふ、もう、カナちゃんったらぁ〜、うふふ」
彼女は私に気付かず、クラスメイトと普通に接していた。それも、いつもの彼女らしく。
しかしその表情は確かに笑っていなかった。その冷徹な眼差しは、時折こちらに向けられていたことにも気付かず――。
〜〜〜〜 つづきます
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