134: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2014/03/21(金) 11:47:50.31 ID:pa8+cNPho
「ええ、勿論知っていますよ。」
「有名なお伽話だもんね。そりゃ当然か。じゃあこっちも知っているかな?
実はね、俺はそのお話に出てくる魔法使いなんだ。」
「あら、それは知りませんでした。でも私、信じちゃいます。何せ今日は魔女に恵比寿様にもあった日ですから。」
そう言葉を返すと、その男性は少し面食らったような表情をします。
それを見て思わず笑ってしまったものですから、彼は冗談だと思ったのでしょう。
「それは凄いな」と大して気に止めていないように答えました。
「魔法使いだと仰ったのに信じていないのですか?」
「あー、その……。何か調子狂うなぁ。
魔法使いってのはものの例えでね、実はこういう者なんだよ。」
そう言って男性はこちらに名刺を差し出します。
そこにはCGプロダクションという社名と、プロデューサーの肩書のついた彼の名前が記されていました。
「CGプロダクション? プロデューサー?」
「そう。シンデレラガールズプロダクション。C.Gってのはその略称だね。
芸能事務所、それもアイドルの育成に重点を置いたプロダクションだよ。そして俺はそこのプロデューサーってこと。」
「だから魔法使い、ですか?」
「うん。まぁ、プロデューサーって言っても実態は雑用のが近いけどね。」
「どんなお仕事なんです?」
「何でも。アイドルに関することは何から全部だよ。そしてスカウトも。」
コーヒーを一口。彼は口に含むと真剣な様子で言いました。
「うちでアイドルをやってみる気ないですか」と。
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