19: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/08/28(水) 21:21:07.94 ID:0wTRHLBzo
下から上まで白磁に染め上げられた建物は、青々と広がる空に浮かび上がるようにして聳えております。
その空には雲一つなく、燦々とお日様が御座しますのですから、ホテルの一面が白い煌めきを放っており、その輝きたるや目が潰れてしまいそうでした。
それでも凝らして見れば建物の随所には飾り彫りが施されていまして何だか、お子様の私が泊まるには場違いではないのでしょうか、といった気持ちになってしまいます。
門構えも堂々たるものでして、どこぞの宮殿を思わせる風情です。左右の柱にはランプを模したと思われる白熱灯が拵えられており、その両柱を繋ぐようにして緩やかなアーチ状に屋根が渡し架けられていました。
その居住まいたるや余りにも見事。思わず私はお財布とにらめっこをするのでした。
まるでお伽噺に迷い込んだかのような心持ちとなりましたが、この国はどうにも土地が狭い。ホテルの景観を損ねてしまう、などとまでは言うつもりはありませんし、致し方のないことでしょう。
両隣には古びた金物屋や、あらゆる国々から取り寄せたであろう、使い道も分からぬ雑多なモノが積み重なる、雑貨屋と呼んでも良いものかと迷うような胡乱な店まで軒を並べているのですから、本当に日本という国は可笑しなトコロであります。
私はその怪しげな雰囲気の雑貨屋に心惹かれる思いでしたが、まずは荷物を減らそうと白塗りのアーチをくぐって進みました。
143Res/91.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。