42: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/08/31(土) 21:42:35.20 ID:5XV/thQ7o
「まぁ、そんなもので信じる奴は最初から信じてたと思うがね。少なくとも説得力は微増でもしたんだろうさ。
亀の甲羅で吉凶を占う話なんかは聞いたことあるだろう? それにお嬢ちゃんは、水晶球を占いにつかうものだとも思った。」
老婆は続けます。
「そんな風習が残ったもんだから、怪しげな道具をつかう占い師なんて胡散臭い連中がそこかしこに蔓延っている。
本物は小道具なんて、あってもなくても当たるもんさ。
マガイモノの連中は、曖昧な表現で煙に巻いたり誰にでも当てはまるような事を言ってるだけだというに……。
盲信的になる奴が少なからず居るってのが信じられんよ。」
「でも、信じていなくたって、占いに背中を押されたいって人も居るんじゃないでしょうか?」
特に、私などは験担ぎなんてものを多用するきらいがありますから、占いを切欠にしたいという気持ちもわからない訳ではありません。
今回のことも、偶々アイドルが近くに来るからといった理由からのお出かけなのです。
「それくらいの気持ちで丁度いいよ、占いなんてものは。信じ過ぎてはいけない。
……まぁ、客の相談に即した未来を示すのならば、カウンセラーとでも名乗れば良いと思うね、アタシは。」
「それは……何だか身も蓋もない気がします。」
そんなモンだ、と彼女は笑い、そして言うのです。
「だから、アタシは占いはしないのさ。」
つまらないと吐き捨てるように、そう言うのです。
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