77: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/10/13(日) 21:52:33.33 ID:2dAlYylzo
少女――渋谷凛さんは、駆けながら飛びながら跳ね回りながらステージを使います。
凛さんの動き合わせて、客席では蒼一色のサイリウムが右へ左へ、前へ後ろへと振られます。
一糸乱れぬ蒼の光を受けた彼女は一層と輝きを煌めきを増していくのです。
ファンの声援に凛さんは応え、彼女のパフォーマンスにファンが応える。
78: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/10/13(日) 21:54:04.18 ID:2dAlYylzo
彼女は中央付近に戻ります。
客席を見据え歌う視線と、舞台へと向けた私の視線が絡み合いました。
勿論、気のせいに違いないのですが、その時、確かに見つめ合っていたと私は信じたのです。
それだけで充分でありました。靡く黒髪。揺れる蒼いドレス。名の通り凛とした瞳。
79: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/10/13(日) 21:57:11.46 ID:2dAlYylzo
取りあえず5レス
また作業に戻りますが今日はここまでです
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/10/14(月) 17:39:08.65 ID:gufQ6M+k0
しぶりんかっこいいな
加蓮と奈緒の出番にも期待
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/25(金) 15:19:10.58 ID:MT2OHfR7o
ふむふむ、これは面白い
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/02(土) 04:04:50.01 ID:0uAGLtKLo
読みごたえあるな
83: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/11/12(火) 13:05:38.22 ID:339cQtP9o
次いでステージの両袖から姿を見せたのは神谷奈緒さんと北条加蓮さんであります。
橙色にも似た、明るい髪をさらさらと流しながら、北条加蓮さんは踊ります。
ステップは軽やかに。振るう腕は、指の先までもぴんと伸びております。
時折、こちらへと見せる笑顔には、女の身である私にでさえ、くらりと来るものがあるのです。
84: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/11/12(火) 13:06:04.85 ID:339cQtP9o
茶色の髪を馬の尾の如く揺らすは神谷奈緒さんであります。
私が宿としている、ホテルの受付のお姉さん一押しの子です。
加蓮さんが羽毛の様に舞うのなら、彼女は羽ばたきそのものでしょう。
大空に憧れぬ鳥が居りません。
85: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/11/12(火) 13:06:36.74 ID:339cQtP9o
程なくして曲が止むと、三人はステージ中央へと揃います。
彼女たちは互いに微笑み合い、客席へと大きく手を振りました。
割れんばかりの歓声がホール内に木霊すれば、彼女たちはまた笑い合うのでした。
86: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/11/12(火) 13:07:16.53 ID:339cQtP9o
ちょっとした彼女たちのお喋りを挟みと、再び会場内にはメロディーが流れます。
その中を三人は入れ替わり立ち代わり、声を音に乗せて運び続けました。
途切れること無く続く歌は、やがてステージを。客席を、そしてホール中を満たしてゆきます。
私の中にだって、当然の如く音楽は満ち溢れておりました。
87: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/11/12(火) 13:07:44.74 ID:339cQtP9o
音に包まれるということがここまで幸福であることなど、私は知らずにおりました。
今日、この場所に来なかったのならばきっとこの先も知ることはなかったろうと思います。
ですから、私は持ち前の運良さに一層と感謝せねばならぬでしょう。
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