過去ログ - 真「秘密基地は夏の終わりに」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/29(木) 21:06:40.56 ID:Pb8MMJNZ0
 「ムシすんじゃねーよおとこおんな! バーカバーカ!」



子供らしいボキャブラリーが少ない悪態をついている男の子

無視をしているつもりだったが……何故か視界がぼやけ始めていた



 「おりてこいよ、おとこおんな! バーカ! ……ん? なんだよあんた?」



先程まで続け様に悪態をついていた男の子の声が聞こえなくなり、気になった僕はブランコを漕ぐ力を緩めた

ゆっくりと動きを止め始めるブランコが安心して足を着ける速さになった事を確認し、視線を男の子の方へ向けると……そこには男の子の頭を押さえ付けた男性の姿があった



 「なんだよおまえ! はなせよ!」

 「やだね。 お前が真ちゃんに謝るまで離さないね」

 「なんでオレがおとこおんなにあやまらなきゃならないんだよ!」

 「酷い事言ったからだろ? ……ははぁん……お前、真ちゃんの事が好きなのか?」

 「は、はぁ!? ちがうし! なにそれいみわかんねぇ!」

 「顔真っ赤だぞ?」

 「うっせぇ! あかくねぇよ!」

 「真っ赤っか〜真っ赤っか〜」

 「ち、ちが……うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!」



押さえ付けていた男性の手を振り解き、何処かへ走り去っていく男の子

その後ろ姿に向かって、いやらしい笑顔で手を振り続けている男性

僕は……そんな男性から目を離す事が出来ずにいた

男性は僕を意地悪な男の子から守ってくれた

……宛らお姫様を守る王子様のように……



 「ふぅ……真ちゃんお待たせ。 遊ぼうぜ〜」

真「う、うんっ!」



僕達は何時ものように遊具の中でおままごとをした

当たり前のように僕がお母さん役で、男性がお父さん役

幼い頭で考え付く限りの夫婦の日常

子供の視点から観える、父さんと母さんの表面上の夫婦生活

そんな当たり前の幸せを演じる僕達は、遊具の中に幸せな空間を作り出していった


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