過去ログ - 一方「だが上条、オマエには……『一方通行』と呼んでほしい」
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20: ◆lWV9WxNHV.[sage saga]
2013/08/30(金) 21:37:02.95 ID:bLPk5RuH0

「うん!ありがと、とうま!」

 科学と魔術の狭間でいつも翻弄される少女は、いつも通り、過酷な背景など感じさせない明るい顔で笑った。

 そろそろ三階に差し掛かる。
 
 エレベーターは使うなと一方通行に言われていたから階段を使っているが、三階くらいならたいした疲労もない。
 階段は廊下の端に据えられていて、ちょうど正面が301号室。

 こちら側から奥に向かい、部屋番号が増していく形式のようだ。

 すぐそこだな、と奥側に目をやって、上条はピシリと硬直した。

「……………」

「……………」

 すぐ隣の少女も無言で固まっている気配を感じる。

 打ちっ放しのコンクリートの、何の変哲もない廊下だ。
 上条が住む寮にも良く似ている、人が二人擦れ違える程度の幅。

 そのど真ん中に、見慣れた常盤台中学の制服の少女が、微動だにせず這い蹲っていた。

「えーっと………」

 茶髪の後頭部しか見えないが、黒いゴーグルのベルトが存在を主張している。

「み、御坂妹……か?」

 こんなところに10032号がいて何をしているのか皆目検討も付かないが、いつまでも黙っているのも果てしなく気まずいので、恐る恐る声を掛けた。


「おや?あなたは上条当麻。こんなところで奇遇ですね。 と、ミサカ20000号はとりあえず立ち上がります」


 すっくと機敏の動作で立ち上がった無表情は見慣れたものだが、どうやら初めて会う個体のようだ。



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