過去ログ - 魔王「勇者が金欠過ぎて街の飯屋でアルバイトしてる、だと……?」
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116: ◆4jPnOLgqH.[saga]
2014/02/11(火) 00:42:55.57 ID:wMQUFdc90
??「ふぅ……正に人を探して三千里。こんな港町にまで来てしまうなんて……でも、山とは違って潮風が気持ち良いですね。
  噂を頼りに『サイクロプスの洞窟』にも『死の沼』にも、『迷いの森』にまで足を運んだのに……まさか掠りもしないなんて」

 陽が落ち、月が空に浮かぶ深夜。街頭も無い港町は月夜にのみ照らされ、所々で宴会でもやっているのか、賑やかな笑い声とグラス同士が触れ合う音がごった返す。
 帝都付近に比べれば人通りも少なく、黄金に輝く月のみが光となっているが、人々の活気は帝都以上に思えた。

??「ここの港町は、比較的賑やかですね。前に立ち寄った村は、寂れ切っていましたけど」

 背負った巨大な盾が石畳を度々擦り、小気味よい金属音を鳴らす。多分わたくしの背中は、殆どが背負った盾に隠れているのでしょう。
 上半身を優に覆う盾は、正直に言うと時々邪魔になるが、わたくしの大切な家宝。最初は持ち上げる事すら出来なかったが、今では体の一部のような存在である。

??「……でも困りましたね。町には着きましたが、もう深夜ですし……彼の情報は集められませんわね。何所かの宿を借りなくては――」

店主「うぃ〜……ひっく!あの野郎、調子乗って飲ませやがってぇ〜!明日も仕事だっつぅのに……あ?どうしたい嬢ちゃん、こんな所で。
   ……って、その格好……あやや、アンタ騎士様かい!何でこんな田舎に騎士様が!? 魔物でも出たのか!?」

??「い、いえ、安心して下さい!この周辺の魔物は退治して来ましたから!で、ではなく……あのぉ、出来ればこの町の宿の場所をお聞きしたいのですが……。
  それとこの人、見覚えありませんか?わたくし、この方をずっと探しておりまして」

店主「あぁ、宿ならあっちの道を――って……こいつは……」



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