過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2015/06/15(月) 21:30:12.47 ID:g5enToSmo
「こんなところに一人では危ないですよ?この公園はそうでもないですが、少し行くと治安が悪い地域が広がっていますし。」
「うん、知ってるの。だからミサカはお迎えを待ってる、ってミサカはミサカは現状を把握していることを告げてみる。」
以前会ったときも思ったが、少し癖のある話し方をする子供だな、と初春は思った。この街では珍しい例ではないかもしれないが、極当たり前の子供らしい振る舞いとその口調は何となくちぐはぐにも感じられる。この街では外見の年齢と実際の年齢が一致しないことも考えられるし、風紀委員として様々な能力者と接している初春が彼女に対して少し穿った見方をしてしまうのも無理のないことであった。
しかし、少なくとも彼女が悪人であるとか自分に危害を加えるだとか、そういう可能性は考えられない。それならば外見と中身が一致しなかろうと、もしかしたら自分より強い能力者だったとしても、風紀委員として彼女を保護するのが自分のすべきことだと初春飾利は判断した。
「ここは安全地帯というわけではないんですよ。風紀委員としてはアホ毛ちゃんが1人でお迎えを待っていることを見過ごすわけには行きません。」
スキルアウトのたむろする危険な地域と、そうでない安全地域を綺麗に区切ることができるわけではない。ここはまさにそんな場所で、直ぐそこの路地に入れば一気に治安が悪くなるようなポイントである。例えば小学校低学年や未就学児であったとしたら保護者抜きでは近付かぬように指導されるような場所だ。風紀委員の初春にはそんな場所で子供が危険な目に遭う可能性を知りながら見て見ぬ振りをすることができないし、保護者が迎えに来るといってももっと安全な場所で待つべきだろうと思う。
「ミサカを心配してくれてるの?ってミサカはミサカは首を傾げてみる。でもミサカ、一応強能力者なんだけどな、ってミサカはミサカは自分の以外な逞しさを主張してみたり。」
「強能力者とは言っても、能力を封じるための道具もいっぱいありますからね。能力を過信しすぎるのはよくないですよ!」
「そんなに言うなら、お花のお姉ちゃんがミサカのボディーガードになってくれるの?ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり。」
「そうできたらよかったんですけど、私はこれから用事があってアホ毛ちゃんの保護者さんが迎えに来るまで一緒にいることは難しそうです…。」
初春は本日非番でこれからプライベートな用事を控えており、風紀委員として彼女につきっきりでいられるわけではなかった。うーん、と彼女が首を傾げながら悩む様子を打ち止めが他人ごとのように見ていた。
「この近くに風紀委員の支部がありますから、そこまで保護者さんに迎えに来てもらいましょう。保護者さんと待ち合わせの場所、変更になるって連絡できますか?」
「うん、大丈夫だよってミサカはミサカは頷いてみる。風紀委員の支部ってミサカ入ったことないから興味津々!」
打ち止めの所有する携帯電話には、保護者たる黄泉川愛穂から「トラブルに巻き込まれたから迎えに行くのが少し遅くなる」というメールが入ったばかりだった ― 今日は警備員の当番ではないと聞いていたけれど、彼女の性格から判断するにきっと自分から何事かに首を突っ込んだのだろう。もちろん彼女の言うトラブルが警備員の業務とは全く関係のないものである可能性も考えられるが、黄泉川は上条とはまた違った妙な引きを持った人間で、何かとこの街の根幹を揺るがすような事件に立ち会うことが多いのだ。今日この街で起きた何事かがミサカたちの大切な人を苦しめることがないように ― 打ち止めはそう祈り、この街に散らばっている何人かの姉妹たちに情報収集を依頼しながら初春のあとを着いて行った。
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