過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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730: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2015/06/15(月) 21:33:53.08 ID:g5enToSmo

御坂美琴のクローンと思われる少女と自分の友人が連れ立っている様子を見て白井は一瞬ぎょっとしたが、初春は特段大きな問題事に巻き込まれている様子ではない。それどころか打ち止めと名乗る少女が何者なのか気付いていない様子で、もちろん風紀委員に属するとはいえ一介の中学生が学園都市の重要機密に属する彼女の存在を知っているはずがないのだが、それでも知人とよく似た少女を見ても何の疑問も抱いていない様子だった。純粋に一人でふらふら歩いている子供を見かけて不安に思って保護しただけなのだろう、と白井は判断して、一度こほん、と咳払いをしてから口を開いた。

「そういうことなら構いませんけれど、もう保護者の方には連絡ついてますの?」

「それは平気、ってミサカはミサカは返事してみる!」

「そういうわけなので白井さん、お願いできますか?私これから用事があって。」

「ええ、分かりましたの。初春もお気を付けて。」

「お花のお姉ちゃん、またね、ってミサカはミサカは手を振ってみたり。」

2人で初春が出て行くのを見送ったあと、白井は近くのデスクから用紙を取り出した。ある事件がきっかけで他の妹達には何度か会う機会を得られる間柄になっていたが、彼女らに上位個体と呼ばれるこの幼い少女と面と向かって話すのは初めてのことだった。

「えっと、打ち止めさんですわよね。初めまして、白井黒子と申します。」

「ミサカ知ってるよ、お姉様のルームメイトさんで空間移動系能力者さんだよね、ってミサカはミサカは確認してみる。10032号や番外個体には会ったことがあるよね、ってミサカはミサカは姉妹たちのことを思い出してみたり。」

妹達同士は電気的な方法でお互いの記憶や感覚を共有できるらしい、ということは当然白井も知っている。この幼く見える少女も例外ではなく、しっかりと発電系能力者としての実力を有しているようで、既に白井に関する情報を持っている様子だった。

「迷子を保護した場合には記載して頂く書類があるんですけれど、書けますか?」

「ミサカ、学校通ってないからどうすればいい?ってミサカはミサカは首を傾げてみる。」

打ち止めは先ほど白井が引き出しから取り出した用紙を見つめて困惑した。その用紙には氏名や住所、学園都市のID番号、通っている学校名などを記載する欄がある。些か非合法な存在である彼女の場合、そもそも書くべき情報が存在しないものもあるし、正直に書くわけにはいかない情報もある。見た目よりも賢しい子供なのだろう、この用紙に自分の情報を記載することで何か困った事態が起こりやしないかと悩む姿は外見の年齢よりも更に2〜3歳上の、むしろ自分たちと然程変わらない年齢の少女を連想させた。



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