過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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731: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2015/06/15(月) 21:35:03.18 ID:g5enToSmo

「あくまでご本人が書ける範囲のことを書いていただければ構いませんから、書きたくないことは書かなくても問題ありませんの。それに保護者の方がお迎えにいらっしゃったらその時点でシュレッダーにかけますわ。」

白井が用意したのは風紀委員で保護している間に怪我などのトラブルがあった場合に使うだけの書類である。個人情報保護の問題もあり、単なる学生組織である風紀委員がこの情報を長期保管するようなことはない。打ち止めが危惧するような問題はないだろうと説明すると、安心したかのように彼女は「ラストオーダー」という呼称を一番左上の氏名欄に記載した。少女はその用紙を両手で名刺を渡すかのように持って白井に差し出した。

「改めまして、初めまして。ミサカは御坂美琴お姉様のクローン、シリアルナンバー20001号、打ち止めっていうの、ってミサカはミサカは自己紹介をしてみる。何度かミサカたちのために戦ってくれたのよね?ありがとう、ってミサカはミサカはミサカたちを代表して感謝の意を述べてみる。」

白井は思いがけぬ丁寧な挨拶に、暫し目を瞬かせた。まるで命の恩人に礼を述べるような態度は自分自身が彼女らに対して為したことを思い返してみても些か大袈裟に感じる。

「いえ、風紀委員として、美琴お姉様を慕う者として、当然のことをしたまでですの。」

何度か彼女らを助けたというのは、結標淡希が残骸を利用して絶対能力進化実験を再開させようと暗躍したときや、つい先日科学結社の残党が再び学園都市に対して何事かを企てていたのを阻止したことだろうか。いずれにおいても白井の行動は彼女ら妹達に利するものとなったが、そもそも前者の場合、彼女らの存在など知らず単に御坂に関係のある何かよからぬ計画を阻止しただけのつもりであったし、後者も科学結社から妹達の存在を知らされたときには御坂に害をなす存在ではないかと疑ったほどだったのだ。結果として彼女らを助けるものとなった行動ではあったけれど、彼女から礼を受け取るのは筋違いだ、という気がした。

「でも、ミサカたちが助けられたのは事実だから。」



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