過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2015/06/15(月) 21:37:27.01 ID:g5enToSmo
「ミサカたちはそういう、全くミサカたちのことを知りもしない人が結果的にミサカたちの生活に影響を及ぼす、そういう事象を徹底的に排除されてきたから、あなたは特別な人なの、ってミサカはミサカは説明してみる。」
「情けは人の為ならず?って言うのかな。あの人に教えてもらったの、誰かにした親切は廻り回って自分の元に返ってくる、って。」
「シライにはそんなつもりなかったかもしれないけれど、それでもシライのしたことが間接的にミサカたちのためになったことを嬉しく思っているから、ミサカたちも誰かにそれを受け渡すことができて、そしていつかシライに返る日があればいいな、ってミサカはミサカは思っている。」
「それはとても途方のない話かもしれない、いつになるかも分からないし、そうなったとしてミサカやシライが気付かないものかもしれない。だけれどミサカたちをそういう人間らしいサイクルに組み入れてくれたこと、感謝してます、ってミサカはミサカは謝意を伝えてみる。」
果たして打ち止めの意図したことは、正確に白井に伝わっただろうか。打ち止めの特徴的な口調も相まって、非常に観念的なその言葉は些か伝わりづらいものだったろう。中学1年生ながら大能力者たる白井なら表面的な意味は捉えられたかもしれないが、本当のところ、その奥の奥までは伝わらなかったのではないかと思う。打ち止めはそれでも構わないとも思う。
妹達の世界は非常に閉じられた世界であった。学園都市の上層部、研究者たち、出資者たち、一方通行、芳川桔梗、天井亜雄、布束砥信、そういった限られた人物としか接することがなく、また、彼らの囲った枠線から外に逸脱するということがなかった。普通の人間の場合、ある一人の人間と関わり合いになればその関わった相手の交友関係からまた新しい人間関係を築くことも珍しくない。上条当麻などがそのいい例で、彼はたった一人のインデックスという少女を救ったことがきっかけで世界中にたくさんの知人を持つことになった。しかし、妹達が嘗て持っていた人間関係にはそういう広がりがなかった。
絶対能力進化実験の中断に至っても、それは変わりがなかった。天井亜雄の企てに際して打ち止めが助けを求めたのは嘗て自身の同胞を害した一方通行であった。打ち止めが頼る先に彼女を選んだのは本当は彼女に妹達を傷つける意図などなかったのだろうという持論を持っていたからだったが、それだけでなく単に他に頼るべき相手を持っていなかったというのも理由の一つであった。
閉鎖的な妹達の世界に介入した最初の部外者が上条当麻で、2人目の部外者が白井黒子だったのだろう、と打ち止めは思う。そして、白井自身は全く別のことを意図して行動していたのにもかかわらず、結果として妹達に利するものを残したというのが上条との差異であった。上条のように妹達を救おうという明確な意図があったわけではない、ただ御坂がよからぬことに利用されようとしているらしいのを阻止したい、という非常に不明瞭で全く妹達の存在を意図していなかった行動が結果妹達の生活に影響を及ぼした。それは妹達にとって全く未体験のことであったのだ。
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