過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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◆owZqfINQN1ia
[sage saga]
2015/06/15(月) 21:55:20.24 ID:2Cc/Ortxo
「ミサカたちは、ミサカたちの信じるものを信じ続ける。それは未だお姉様やあの人やカミジョウ、ヨミカワなんかの受け売りでしかないかもしれないけれど、でもいつかそれらが本当に一人一人のミサカたちを作るんだ、ってミサカはミサカは信じてる。」
「ミサカたちの行いが、誰かにとってのプラスになるように、そう願ってる。」
保護者が迎えに来たと言って出て行く直前、年端もいかぬ少女はまるで一世一代の告白をするみたいに白井に告げた。話の前後を全く理解できなかった白井は思わずぽかんと呆けてしまったが、ずっと黙り込んで何か考え込んでいた様子だったから、彼女には彼女なりに思うところがあったのだろう。
幼い少女と入れ違いに入ってきたのは、風紀委員の先輩だ。いつになく困惑した様子の白井を見て違和感を覚えたらしい、訝しげな瞳が眼鏡の向こうから白井の様子を見詰めていた。
「白井さん、何かあったの?」
「いえ、何でも、」
「そう、なら構わないけど。」
何でもない、そういう答えが返ってくるのだと判断した彼女は、それ以上の追及をしなかった。白井は何事も自分一人で解決しようとしがちな傾向があるが、それを指摘しても反発することが多いので本人がキャパシティオーバーを自覚するまではある程度好きに行動させている。もちろん何かあったときに直ぐサポートできるような体制を築くことに手は抜いていないが ― しかし、白井から返ってきた言葉は固法にとって全く以て意外なものだった。
「何でも、ありますわ。」
「へ?」
「固法先輩、私、近々前線に復帰できるやも知れませんの。」
がたん、と椅子から立ち上がった白井はいつになく自信に満ちた表情をしている。いや、本来の彼女は常日頃こういった自信に満ちた表情をしていた気もする。むしろここ最近の方がおかしかったのだ。
風紀委員の活動とは全く別のところで何事かに首を突っ込み、能力の暴走で入院するほどまでのことになったという話は固法も聞いている。そのときの精神的な後遺症からか今でも能力が安定しないため、最近では後方支援任務が主だ。固法自身は経験したことがないが、能力が全てと言っても過言ではないこの街において「能力の暴走」という経験はその後の人生を大きく変えてしまうものだという認識をされている。エリートに属される大能力者レベルでも一度の暴走がきっかけでのちに犯罪に手を染めたり、トラウマを解消できないまま無理に能力を行使しようとして廃人のようになってしまったりすることもあるのだ。一歩間違えればそちら側に踏み込んでいたかもしれない彼女が自分から復帰できるかもしれないと力強く言うのだから、それは様々な能力者を見てきた固法にとって風紀委員の戦力云々関係なく喜ばしいことだった。
「私、明日病院行ってきますわ。先生にご相談してきます。」
「思いついたら行動が早いのは白井さんのいいところね。」
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