1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:34:00.07 ID:a9H2BqDx0
真「はい」
P「……一応聞くが、どうしてだ」
真「もう、王子様扱いされるのはイヤなんです」
P「また随分と贅沢な悩みもあったもんだな」
真「マジメに聞いてください!」
P「別に、茶化してるわけじゃないさ。ただ、そこまで嫌がる理由が俺には分からん」
真「……プロデューサーにも話したと思いますけど、ボクは女の子らしくなりたくてアイドルになったんです」
真「なのに、もらえる仕事はどれも『真王子』ばかり求められて……」
P「全然女の子らしくなれない。それが不満、ってことか」
P「……なぁ、真。お前、自分が何言ってるか分かってんのか?」
真「小娘が生意気な口を利くな、って言いたいんですか」
P「そこまで言うつもりはないがな。まぁ、そんなところだ」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:36:25.05 ID:a9H2BqDx0
P「この前のライブ以降、確かに仕事は増えた。スケジュールの都合が合わなくて、断るものが出てくるくらいにな」
真「だったら、その中に真王子じゃない仕事もあるはずですよね」
P「まぁな。全部断ったが」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:38:14.79 ID:a9H2BqDx0
P「ふー……」
律子「ワザとですか?」
P「なんのことだか」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:40:15.84 ID:a9H2BqDx0
真(原因がプロデューサーにあったなんて)
真(使えるものは何でも使う、それがあの人の方針だと知ってはいたけど……)
真(――くそっ!)
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:42:18.59 ID:a9H2BqDx0
真「えっ? い、いや特にないけど。……どうして?」
春香「あ、うん。なんとなく、なんだけどね。何か考え事してるみたいだったから」
真「春香……」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:44:29.90 ID:a9H2BqDx0
春香「……真?」
真「春香。ボクのこと、どう思う?」
春香「えっ? どう、って言われても……」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:46:20.51 ID:a9H2BqDx0
春香「うん。だって、うちの事務所で真以外に王子様として売り出せそうな人って、いないでしょ?」
真「……じゃあ、ボクは消去法で王子様にされたってこと?」
春香「えっ!? そ、そういうことじゃなくて、えっとね」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:48:08.22 ID:a9H2BqDx0
春香「戻りましたー」
律子「おかえり、春香。あら、真は?」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:50:15.71 ID:a9H2BqDx0
P「それで、話って?」
春香「真のことです」
P「まぁ、そうだろうな」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:52:20.01 ID:a9H2BqDx0
P「……なんて答えたんだ?」
春香「真らしいって、真以外に出来る人はいないって……」
P「ふむ、まぁ間違ってはいないな」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:54:27.53 ID:a9H2BqDx0
真(なんだろう、体が動かないわけじゃないのに)
真(……明日、ちゃんと春香に謝らないと)
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:56:13.03 ID:a9H2BqDx0
PiPiPi
真「今度は着信、って……」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 20:58:10.53 ID:a9H2BqDx0
真「明日って、映画の吹き替えオーディションのことですか」
P『そうだ。当初の予定では、ヒロインを支える若い騎士役だったんだが』
真「もしかして、配役の変更とか」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:00:17.09 ID:a9H2BqDx0
P『ただし、選べるのはどちらか一つだけ。さらに言うと、騎士役は先方の希望でもあったから、ほぼ内定状態だ』
P『それに対して、ヒロインは完全に実力勝負。ハッキリ言って、お前が勝ち取る確立は低い』
真「……」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:02:08.77 ID:a9H2BqDx0
律子「勝ち取る可能性が低い、なんて本当は思っていませんよね」
P「盗み聞きなんて、あまり良い趣味とはいえないな」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:04:17.66 ID:a9H2BqDx0
律子「焦げ付くくらいなら、火を止めて盛り付ける、ですか」
P「……まぁ、な」
律子「……それがプロデューサー殿の判断なら、私が口出しすることはありませんね」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:06:29.63 ID:a9H2BqDx0
真(日課のジョギングもしたし、朝ごはんもちゃんと食べた)
真(台本もしっかり読み込んできたし、体調は万全)
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:08:38.27 ID:a9H2BqDx0
律子「それで、どうなったんですか?」
P「まだ聞いてない」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:10:09.66 ID:a9H2BqDx0
P「おっ、さて真は、と……!?」
律子「あら、これは……」
司会『続きまして、ヒロインに仕える若き騎士の吹き替えを担当する、菊地真さんです』
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:12:26.04 ID:a9H2BqDx0
真「ただいま戻りましたー」
律子「おかえり、真。プロデューサー、待ってるわよ」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/31(土) 21:14:13.69 ID:a9H2BqDx0
春香「えへへ。でも、それは私じゃなくて――」
律子「ほーら真、急いだ急いだ」
真「えっ、あっ、そうだね。ごめん春香、また後でね!」
36Res/17.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。