976: ◆Nv7JqrEoRxto[saga]
2013/12/19(木) 00:57:03.53 ID:nUGALjYx0
  
 中はまた異常な空間だった。 
 やはり風船や花が飾り立てる部屋の中は、その部屋の大きさには見合わない、大量のオーディオ機器とテレビが置かれていた。 
 壁、床、天井…所狭しととおかれたオーディオ機器は、大小に関わらずおかれているようだった。 
 大きいものは僕の背丈程もあり、小さいものは手のひらに乗るサイズのものもある。 
  
  
 そんな異常な空間の中心に、彼等はいた。 
  
 石丸「…苗木君!ここにいたのかね!」 
  
 苗木「…う…っ、…ごめん、ごめん…」 
  
 石丸「苗木…君?」 
  
 舞園「…もしかしてそこにいるのは石丸君ですか…?」 
  
  
 小さくしゃがみこんだ苗木君の腕の中から、不安そうに舞園君が顔を覗かせた。顔色は悪く、足は力無く垂らされており、明らかに弱っていた。 
 そして舞園君の腕の中には目を閉じた霧切君がいた。気を失っているようだ。 
 そんな苗木君たちの隣に桑田君が真っ青な表情で立っていた、微動だにしていない。 
  
  
 石丸「何か…あったのか」 
  
 舞園「石丸君、私の声が聞こえますか?」 
  
 石丸「あ、ああ聞こえるぞ」 
  
 舞園「聞こえますか?」 
  
 石丸「聞こえているぞ!」 
  
 舞園「やっぱりこんなにうるさいと聞こえませんか?」 
  
 石丸「…何?」 
  
  
 会話が成立していない。 
 何かが変だ。 
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