過去ログ - 和久井留美「食べる、という事」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/01(日) 07:55:02.71 ID:InD/KiKc0


「全然大丈夫ですよ。うちは別に、秘伝の味という訳じゃありませんから。私が勝手に思い付いたのを作ってお出ししてるだけですから」

「そ、そうですか……」

「まぁ、それに……うちの料理が、誰か、何かの役に立てるのなら……そちらの方が素敵な事ですから」


男性は優しそうな笑みを浮かべて、少し恥ずかしそうにそう言った。


「全く、相手が美人だからってキザな事言ってまぁ」

「ははは、歳柄も無い事を言ってしまって」

「いえ……ありがとう、ございます」

「あなたも照れるくらいなら言わないの。はい、これ。やきそばの作り方もオマケしておいたから」

「あ、ありがとうございます」

「じゃあ、頑張ってね。料理は腕もあるけど、最後は気持ちが大切よ。
 少しありきたりな言い方かも知れないけれど、真心をこめて作ってあげるの。それが、一番喜んで貰える秘訣よ」

「……はいっ」


夫人から、ビーフシチューとやきそばの作り方が書かれたメモを頂いた。
味のある柔らかい丸い文字で、とても丁寧に書いてあった。
何だか、シチューの味と同じようだと、私は一人思った。




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