9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/01(日) 07:48:34.36 ID:InD/KiKc0
まずはお肉。スプーンで一つ取り上げる。
肉の表面はほろほろとして、見ただけで柔らかいお肉なのだと分かる。
そして中からちょっとだけ、テカテカとした液体が漏れ出ていた。肉汁だ。
旨みをぎらつかせるように、とろとろとした肉汁が溢れている。
私は口を開けて、お肉を噛み締めた。
肉は歯にちぎられると同時に、肉汁をじわっと出して淡雪が溶けるように形を崩した。
閉じ込められた肉の旨みが、決壊を待っていたかのように私の口に流れ込む。
甘噛みする。肉のもった小さな弾力がほろりと切れて、どんどん細かくなっていく。
繊維一つ一つになるまで、私はゆっくりとこの心地良い感触を確かめた。
お肉を呑みこむ。呑みこむ時まで、肉は柔らかく私を撫でるように通り過ぎて行った。
嘆息を小さく漏らし、私は余韻に浸りながらバゲットの端を千切った。
次食べるのは野菜だ。でもその前に、口の中をリセットしようと思った。
こんがりと焼けたバゲットをサクっとかじり、水を飲んで口をスッキリとさせる。
これで準備は出来た。
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