過去ログ - 京太郎「これが今の俺に出来る最高の和了だ……!」
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8: ◆zkhBdYvVqI[saga]
2013/09/02(月) 19:26:19.88 ID:7LZi9ZuAO
「だめ、だめ、だめだよ京ちゃん!確かに京ちゃんが麻雀の腕がなかなか上達しないって悩んでたのは知ってたけど、何も死ぬことなんてないよ!早まらないで京ちゃん!」

腰にしがみついたまま泣き叫ぶ咲に京太郎は彼女がとんでもない勘違いをしているのだと察した。

察しはしたのだが……はっきり言って今はそれどころではない。

(いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?)

京太郎は屋根に鼻と歯を強打した痛みに声無き悲鳴をあげていたのだから。

歯が取れなかったのは奇跡といってもいいかもしれないが、そんな喜びもすぐに痛みのせいで塗り潰される。

「……と、とりあえず落ち着け咲」

だが京太郎はそんな状態でも咲を宥めようと起き上がり声を出す。

咲がこんな事をしたのは勘違いしたとはいえ自分のためだし、自分の背中を濡らすものを止めたいと思ったから。

「落ち着いてなんていられ……ああっ、京ちゃん、鼻血出てるよ!?」

涙でグシャグシャになっていた咲は京太郎の顔を見るなり悲鳴をあげる。

そこでようやく京太郎は自分が鼻血を出して自分の学ランとシャツを真っ赤に染めていた事に気付いた。

(ぐあっ、マジかよ!?この前クリーニングから返ってきたばっかりだってのに!)

「は、はい、ティッシュ。京ちゃん、大丈夫?痛い?」

思わず恨み言を言いたくなった京太郎だが、心配そうにあたふたしている咲を見るとそれもどんどん萎んでいって。

結局感情の持って行き場を失った京太郎に出来たのは大きくため息を吐く事と、咲から受け取ったティッシュを全て使って鼻に栓をする事だけだった。


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