6:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:53:23.05 ID:W1yMv6UE0
「ふあぁ、やばいやばいやばい……!」
明らかに余裕の無さそうな声色で隣の個室へと入っていくのが聞こえる。
……とても聞き覚えのある声なのは気のせいだろうか。
7:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:54:17.14 ID:W1yMv6UE0
(……!!! 紙が…………無い…………!?)
このような事があり得るのだろうか。 あって良いのだろうか。
確かに、公衆トイレなどではこうした事例が良くあるとスタッフとの世間話で聞いたことがある。
だがしかし、よもや自分自身にその災難が起こるとは思っても見なかった。
8:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:55:44.98 ID:W1yMv6UE0
(…………よし、ここは、声を変えていきましょう……!)
色々と考えた結果、この結論に至ったのである。
自分で言うのもなんだが、声には自信がある。 mid1CからhihiEまで出せるこの喉ならば、声を変えるなど容易い。
因みに、mid1Bと言ったが、ある程度低い音域に慣れればmid1Aまで出せるのが密かな自慢だ。
9:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:56:18.18 ID:W1yMv6UE0
コンディションは概ね良好。
完璧ではないが、私なら行けるはずだ。 出す声も決まった、低い声で行く。
低めの声ならともかく、極限まで低くした私の声を春香は聞き慣れていない筈だから――。
「あ、あの、すいません…………」
10:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:56:56.85 ID:W1yMv6UE0
「……あれ? 千早ちゃーん?」
おかしい、絶対におかしい。 何故バレてしまったのか解らない。
それほどまでに自信のある出来だった。 にも関わらずバレでしまったのだ。
実は天井に隠しカメラが仕込んであって、春香はそれを確認したのではないかと疑うレベルだ。
11:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:58:10.36 ID:W1yMv6UE0
12:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:58:40.47 ID:W1yMv6UE0
「どうですか、私は千早という方ではないでしょう?」
「72センチ」
「くっ」
13:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:59:16.21 ID:W1yMv6UE0
相手が春香じゃなかったら張り倒していたところだ。
もしこれを言うのがプロデューサーだったらプロデューサーの首を180度回すレベルである。
「ごめんってば〜。 ……あ、なんで声低かったの?」
14:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 19:59:50.23 ID:W1yMv6UE0
「……っ!!」
恥ずかしさからか、顔が赤らむ。 聞かれたくない事を聞かれてしまった。
面白半分、純粋な求知心半分といったような声色で再び質問が投げられてくる。
だがしかし観念する他あるまい。 今頼れるのは春香だけだ、逆らう事は出来ない。
15:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 20:00:33.74 ID:W1yMv6UE0
顔から火を噴きそうなほど顔が赤くなる、血が昇り過ぎて頭がクラクラしてくる程に。
あんな作戦やめれば良かった、今になって後悔が波となって押し寄せてくる。
「えへへ、ごめんつい。 えっと、トイレットペーパーだよね? 今渡すか……ら……」
16:W1yMv6UE0[saga]
2013/09/02(月) 20:01:08.18 ID:W1yMv6UE0
「…………What?」
「私のトコにも紙が無い…………!!」
「……………………………………」
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