過去ログ - 上条「アイテムの正規メンバーですか」
1- 20
961: ◆Ks/3680U6o[saga]
2014/01/30(木) 20:59:29.17 ID:3L3phDi+0



次の日、麦野は能力判定のテストを受けていた
次々とメニューをこなしていき、最後に原子崩しを何層にも重なった鉄版へと放つ試験に臨んだ
その試験をやる監督の研究員が昨日の汚らわしい行為をしていた奴らだと気が付いたのは試験をやる直前だった


その時麦野はどうしようもない怒りを抑えられなくなり原子崩しが暴走する


今まで一度たりとも全ての鉄版を一回の原子崩しで貫いたことがなかったのに、その時は一瞬だった
それも鉄版だけでなく、その直線上の幾つもの部屋を一発の原子崩しが貫き、消し去った

麦野は気分が今までにないくらい良かった
全力に近い形で原子崩しを撃つことでこれまでの人生の鬱憤を発散出来ているような気がして
そしてその高揚感のまま例の研究員たちを跡形もなく消し去る
周囲の部屋も原子崩しを放ち消し去った


研究所が慌ただしくなり研究員たちは逃げ惑い、原子崩しの盾に『置き去り』たちが使われた


その中、麦野の前に例の彼女が立ち塞がる
自分が身体を汚してまで守ってきた『置き去り』たちが無慈悲に何のためらいもなく殺されていく現実に耐えられなくなって……
冷静な判断の出来なくなった彼女は麦野のせいにすることでそれを昇華しようとした
麦野がいけないんだ
麦野のせいなんだ

だからこそ麦野の前に立ち塞がる
明らかな敵意を持って




麦野は訳がわからなかった
自分は彼女のためにこのくだらない研究所を消し去り、彼女や他の『置き去り』たちとともに暮らそうと思っていたのだから
彼女の尊厳を取り戻そうと……
彼女に普通の女の子として生きてもらおうと思っての行動だったのに……


それを彼女は裏切ったのだと麦野は捉えてしまった




麦野の精神は完全に壊れた






麦野が気が付いた時には自分の身体はボロボロ
辺りには何もなかった


そう、何もなかった


絶対的な力の前には、何ものもその形をこの世に残すことすら許されなかったのだった




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/505.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice