過去ログ - バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 〜断章のアルカナ〜
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177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/25(水) 11:36:23.57 ID:r370C9Yf0
円周「えっとね……うん、人は肉体を持って色々なモノを詰めているんだよね?」

円周「信念だったり、記憶だったり、お仕事だったり、趣味だったり、家族だったり。大事なモノを内側に置いている」

シェリー「……あぁ、何となく分かる気がするわ」

円周「人生の優先度、とか重要度みたいな感じでねっ」

円周「でも逆にほぼ――中身が『からっぽ』であっても、その人は人間なのかなって」

シェリー「それは――どう、だろうな」

円周「わたしには足りないんだって。本来入っているべき感情とか、『木原』としてあるべきものが」

シェリー「『木原』が足りない?」

円周「例えばねー、うん。このお洋服、ステキでしょーっ?」

 返り血に染まった服をつまみ上げ、笑う。とてもじゃないが、愛想笑いすら出来る状況ではない。
 何かが欠損している。

円周「けど、このお洋服は店員さんに選んで貰っただけの、『この年頃の女の子ならこういう服を着る』から」

円周「だから、選んだんだよ?」

 ひゅう、と言う風の音が聞こえる。
 人工的な風以外は絶対に入らない、ほぼ密閉させた施設であるというのに。

 その風はとても、心を冷やす。


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