過去ログ - バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 〜断章のアルカナ〜
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[saga]
2013/10/14(月) 12:49:35.29 ID:Q0LxgS/b0
男「『だから本来であれば、別に何一つ苦労する事無く、お前の傷口の手当も出来る――どころか、この場で簡易手術も出来た』」
男「『だが、こいつが現実だよ。上条当麻』」
男「『そのバカは「壊す」事だけを残して、加群の「治す」部分を消しやがったんだろ』」
男「『これが、現実。これが、「木原」なんだよ』」
円周「……ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさいっ!」
男「『善性がどうだっつった所で誰一人救えねぇ。助ける事なんて出来やしねぇ』」
魔術師「――まぁ、アレですな。『木原数多』さんが何をやっていたかと言えば――『待っていた』と」
魔術師「あなた方が『木原円周に善意を植え付け、自壊するのを待っていた』だけですよ。ただそれだけのお話」
たたみ掛ける『木原』の悪意。
出口の見えないトンネルを除くかのような、底の知れない悪意の塊。
木原円周が獲得した善性に真っ向から反発する『悪性』の存在。
男「『生き方なんてぇのは絶対に変えられねぇんだよ!テメェがぶっ殺した、踏みにじった連中は生き返りはしねぇ!』
男「『「木原」に帰ってこい?そうすりゃ悩むも必要もねぇ。善性なんてクソだ!』」
男「『辛いんだったら、捨てりゃいい!モラルも正義もテメェが決めればいい!』」
男「『お前はもう、「木原」としてしか生きていけないんだよ――なぁ、「木原」円周!』」
これがもし暴力であれば、木原円周は膝を突かなかったであろう。痛覚を遮断するか、『気にしない』事にして笑いながら拳を受け続けたかも知れない。
これがもし脅迫であっても、木原円周は頭を垂れなかったであろう。大切なものが存在しない相手に、脅しが通用しないのだから。
だか、しかし、けれども。
自分の最も大切な存在――『理解』してくれる、受け入れてくれる人間の前で、まざまざとおのれの持つ業を暴き出された。
獲得したばかりの『善性』により、自責の念に囚われた心をハンマーで打ち砕くように。
もう、保たない。
円周「ごめんなさいごめんなさいごめ――」
彼女の言葉を最後まで言わせず――いや、言わさず。
くしゃり、と。そう、何でもないように、極々普通の事であるかのように、円周の髪を撫でたのは。
上条「――充分だ。もう痛くはねぇよ」
『木原』が最悪であるのがいつもの事であるように。
彼が立ち上がるのもまた、いつもの事だ。
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