過去ログ - バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 〜断章のアルカナ〜
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662:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/03(火) 08:22:50.98 ID:GaRocPRo0
シェリー「だからまぁ今現在成功してる奴だって、正直絵の才能だけで食ってるとは言いづらいのが現状」

シェリー「興味がある奴ぁ『Boogie Woogie(邦題;ギャラリー)』って映画でも見ろ。イギリス人特有のエゲつないブラックユーモア満載だから」

シェリー「なんだかんだ偉そうに言ってる私だって、結局副業で食いつないでるようなもんだし」

シェリー「で、まぁ街一番だった絵描き少年は、大抵上の学校で一度は挫折するんだよ。国一番に負けてな」

シェリー「そんなに連中を立ち直らせるには、『絵を描くのが楽しかった』のを思い出させてやりゃいいんだよ」

一方通行「……意味が分からねェよ。何が言いてェンだ」

シェリー「まぁ、なんだ。私はあんた達のアレコレ、知ってるけどもだ」

シェリー「もっと好き勝手に生きりゃいいんじゃねぇのか、って思うんだよ」

シェリー「誰に迷惑描けたって良いし、そりゃかけないのが理想的ではあるけど」

一方通行「訳わかンねェ……」

シェリー「結局、物の価値を最終的に決めるのはテメェ自身なんだよ」

シェリー「芸術家の中には精神病んでそのまま彼岸に逝っちまう奴、結構居るけどよ。果たして連中が幸せだったと思うか?」

シェリー「どれだけ名声を得たとしても、後世に名前が語り継がれても」

モブ子「……」

工山「……」

シェリー「たまーに思うんだよなぁ。ゴッホは自殺した――あぁ他殺説もあるけど――が、人生は楽しかったのかよ、って」

シェリー「もしも彼が凡庸な絵描きで、絵だけなんてとても食っていけなくてだ」

シェリー「どっかの工員として細々とやってるウチに、付き合ってた女にガキが出来て渋々結婚してだ」

シェリー「たまの休みの日にはガキどもの絵を見てやったりして、無名の画家のまま終わる。そんな『可能性』が」

シェリー「ゴッホになりたい人間はごまんと居るだろうし、中には本気でなろうとしている連中も少なくない。だがな」

シェリー「ゴッホはそいつらみたいに、普通の生活がしたかったんじゃねぇか、っても思うわ」

一方通行「……」

シェリー「だからあんた達も正直好きなように生きればいいと思う。他人に迷惑かけるのも好きにやっちまえ」

シェリー「苦しかったら逃げたっていいんだよ。助けて欲しいんだったら助けを求めればいい」

シェリー「……少なくとも、世界にはあんた達の味方をしてやれる『大人』が居るから」

一方通行「……有り難くて涙が出そォ――あだっ!?」

シェリー「生意気言うなクソガキ」

一方通行「ンだとクソババア!」

シェリー「……話が逸れた。だから別に下手クソでも良いんだよ、誰からも笑われたって自分が楽しければ」

シェリー「自分が納得して、楽しく描いていればそれだけで」

シェリー「それでも我慢出来ない。もっと上手く描きたい、認めて欲しいってなら勉強しろ」

シェリー「先人がクソみたいな時間かけて培った技法が、幾らでも、ね」

……


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