過去ログ - 【とあるSS】壊れた窒素と、打ち砕く幻想
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28:K[saga]
2013/09/06(金) 01:14:04.17 ID:WPhRrGRRo

 地面を叩くヒールの音が、施設内に木霊する。
 一定のリズムで叩かれる音に、もう一つ。
 まるで親鳥の後を懸命に追う雛のような可愛らしい足音。

麦野「あーつまんない仕事ねー。スライム殺したって、大した経験値(ギャラ)になんねーってのによ」

 麦野がつまらなそうに髪の先を指で弄んだ。
 彼女が歩いてきた道には、無残な死体が幾つも転がっていた。
 この施設内にいた、研究員達だ。

滝壺「むぎの、お疲れ様」

 もう一つの音の正体、滝壺が麦野の後ろから声をかける。
 歩幅が違うため、若干早歩きだ。

滝壺「二人も、終わったかな?」

 ここにはいない、絹旗とフレンダの事だ。
 施設内には複数の出入り口が存在しており、例え外部から電源が抑えられたとしても、出入りが出来る箇所が二つ。
 一つは麦野と滝壺のペア。
 もう一つは絹旗とフレンダのペアである。

麦野「さっきの揺れと爆音からして、中枢部に突入したんでしょうね。あの二人ならそろそろ……っと、噂をすればなんとやら」

 麦野の携帯端末が震えた。
 淡い光を放つ液晶にはフレンダの名前。
 慣れた指捌きで操作する麦野。

麦野「もしもーし、こっちは終わったわよ」

フレンダ『む、麦野!? ちょ、やばいって訳よ!?』

 仕事の完遂の連絡かと思えば、フレンダの慌てふためく声。
 麦野はまた何かやらかしたのか、と溜め息を零す。



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