過去ログ - 【とあるSS】壊れた窒素と、打ち砕く幻想
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32:K[saga]
2013/09/06(金) 01:17:30.83 ID:WPhRrGRRo

 壁一面がコンピューターで囲まれた部屋に二人の少女がいた。
 一人は絹旗最愛。
 もう一人はフレンダ=セイヴェルン。
 フレンダが用いた爆弾の威力は想像以上であった。
 が、中枢部を守る扉はそれ以上であった。
 フレンダの予想立てとしては、扉どころか中枢部の中にいる人間、機器に至るまでが跡形もなく吹っ飛ぶ筈。
 しかし、扉の強度は強固で、施設全体を揺らした爆発は扉をひしゃげる程度にしか破壊しなかった。
 それでも、絹旗にとっては僅かな隙間ができれば充分であった。
 窒素で纏った己が身体を突っ込ませ、内部へと侵入。
 侵入後は、排除、破壊。
 たったそれだけだった。
 それが、フレンダの頭の中にはあった。
 しかし、絹旗の頭の中には何もなかった。
 ただ、敵を嬲り殺す。
 それだけで埋められていた。

絹旗「……超、面白みがありませんね。もっと私を楽しませてくださいよ」

 絹旗の腕が雑に振るわれた。
 何かに跨り、窒素に包まれたその腕は、対象を無残にも押し潰し、赤い液体が飛沫となる。
 液体は絹旗の服、髪、顔と全身を濡らし、染み込んでいく。

絹旗「……超、汚いです。これ、結構値が張るんですよ? 分かっているんですか?」

 対象はこの研究所の研究員の一人。
 しかし、そこには人と呼べるものは一切なかった。
 果実を潰したように、どこがどのパーツであるかすら分からなくなる程に分解されていた。
 分解と言っても、それは鋭利な刃物で寸断されたわけではない。
 無理矢理に引き千切り、筋、皮、肉、骨の断面がどこにあったのかすら分からなくなっていた。



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