過去ログ - 【とあるSS】壊れた窒素と、打ち砕く幻想
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9:K[saga]
2013/09/03(火) 12:22:10.48 ID:sBV5PyAU0
 麦野の圧ある視線が、フレンダを捉える。
 フレンダはその視線に身体を震わせた。

麦野「調子こいて、いっつもいっつもいっつもヘマをするのはどこのどいつだと思ってんだ? あぁ?」

フレンダ「ごめんなさい!」

 机に頭突きを喰らわせるが如く、フレンダの頭が振り下ろされた。
 そんなフレンダを見て、麦野は腕組みをし、席へともたれかかる。
 これ以上追及したらしたで、現場へ出た時にかかる緊張が更なるミスへと繋がってしまう。
 フレンダの性格を考慮した上で、麦野は口を閉ざしたのだ。
 しかし、本人としてはまだ言い足りないという雰囲気がこれでもかと滲み出ている。

麦野「あん?」

 そこに、突然電子音が鳴り響いた。
 それは、麦野のポケットからだった。
 麦野は眉を潜め、そして、そんな彼女の表情から、他の三人の表情が固くなる。
 他三人の表情の変化に構わず、麦野は面倒臭そうにポケットから携帯電話を取り出し、すぐに通話ボタンを押す。

麦野「今日はオフ。それじゃ――」

 そして、すぐに通話終了のボタンを押そうとしたが、

???『ちょ、ふざけんな! 今後のギャラ減らすわよ!』

 これでもかと張り上げた声が、それを押させない。
 若い女性の声。
 麦野達の直属の上司でもある。
 声と性別以外のあらゆる情報は不明。
 四人はその電話相手の上司を、『電話の女』とそのままの意味で呼ぶ。

麦野「ちっ……テメェ、今日は仕事ねえって言ってただろうが」

 麦野は聞こえるように舌打ちしてから、用件を尋ねた。

電話の女『絶対無いとは言ってないでしょうがー! ……まあ、とりあえず今日いきなりで悪いんだけど働いてもらうわよ』

 電話の女はいつもの事なのか、麦野の舌打ちに関して気にも留めず、話を続ける。

麦野「わーったよ。で、用件をさっさと言え」

電話の女『はいはい。で、あんたらにやって欲しいのは十一学区にある――』

 仕事の内容を告げられ、アイテムの一同は席を立つ。
 彼女達がようやく席を離れた事に、店内の店員から疲れたような視線が飛ばされる。
 四人はその視線に気付きながらも、特に気にしてはいなかった。
 仕事。
 彼女達の頭にはそれ以外の思考は既になかった。
 アイテムが、動き出した。



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