過去ログ - 女「せっかくだしコワイ話しない?」
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5:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/03(火) 23:42:19.18 ID:a9mZ+IYjO
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こみ上げてくる吐き気にみっともないと思いつつも道路にしゃがみこんだ。
襲いかかってくる嘔吐感をおさえるために深呼吸するも、都会のよどんだ空気はワタシの気分をより鬱蒼とさせるだけだった。
いっそのことここで全部もどしてしまおうか。そうすれば少しはらくになるだろう。
「サイアクっ......」
吐き出すようにそうつぶやいてふと、夜空を見あげる。
よどんだ夜空に取り残されたように雲がひとつだけ浮いていて、なぜかそれに奇妙な親近感を覚えた。
しばらくしゃがみこんでいたせいか、少しだけ気分がよくなった。
いつまでも道路にしゃがみこんでるのはみっともない、そう思ってワタシは腰をくあげた。
もちろん誰も自分のことを見ていないことなんてわかっていた。
少し歩くと電車が線路の上を走る音が聞こえてきた。
若者の街。
今ワタシがいる場所は一般的にそう呼ばれてる。
その名にふさわしい数の若い人間が夜中にもかかわらずあちらこちらにいた。
いったいコイツらはなんの目的があってこんなとこにいるのだろうか。自分のことを棚にあげてそんなことを思った。
ムダにでかい声でダベってる集団。
スマホをいじって壁によりかかってるヤツ。
うつむいたまま足早に駅に向かう人。
まあ、ワタシもはたから見れば同じように見えるのだろう。
実際ワタシはサークルの飲み会の帰りでこの街にいる目的なんてこれっぽちもなかった。
というか、サークルの飲み会になんて行きたくなかったのだからそういう意味では最初から目的なんてなかったのだろう。
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