過去ログ - 垣根「えっ何?俺とセックスしたいって?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/10/09(水) 22:17:58.10 ID:WjRxkfpSo
―――
子供がなけなしの小遣いでプレイしても、まともに中の商品を掴むことすら出来ない超ゆるゆるアームのクレーンゲームは日本全国、どこにでもある。
学園都市第十五学区の某ビル、某ゲームセンターもまた、例に漏れずそのような姑息な調整を受けていた。
まともに商品が掴めないと客がキレるまではそんな状態で放置されているクレーン機には、その日その時、異常が起こっていた。
「三個一気取りだオラァ!! って、入口に詰まりやがった!!
オラ!落とせコラ!」
「ギャハハハハハハ!! 詰めが甘ェンだよ、三下が。
見やがれ、こっちはそっちの人形よりデケェのに一つも詰まっちゃいねェ」
「嘗めてんじゃねええええええ!! 楽勝なんだよ、そのくらい!
―――はい四つ一気に取った!」
「その程度で勝ち誇ってンじゃ所詮バ垣根くンだなァ、おい」
店員が半口を開けて見守る中、大騒ぎをしながらクレーンからの戦利品の山を築いていく二人の人物。
腕で持ちきれないから箱くれ、とほとんど恐喝するように大きなダンボールをいくつも奪い取っていった茶髪の少年垣根と白髪の少年一方通行がそれであった。
ろくに中のぬいぐるみなど掴めないはずのアームが二つどころか三つ、四つと絶妙な状態で連なり、引っかかった状態で一気に商品を掬い取っていくのは異様な光景だった。
見る間にクレーン内の商品は姿を消し、その代わりにダンボール箱の中の商品の山が大きくなっていく。
垣根と一方通行は、能力など一切使っていない。
しかし、持ち前の頭脳をフル活用して商品の形状、重量やアームの形状、動きの癖、ゆるみ方などの要素を即座に理解し、最も合理的な操作を行って店員が決して意図していなかった結果をたちまちに創りだす。
垣根の内にあった勝負などどうでもいいという意識はクレーンのボタンを押した瞬間に雲散霧消した。
開始から数分のうちに四台のクレーンが空になり、その頃には既にギャラリーが集まっていた。
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