過去ログ - 貴音「こひのとらはれ」
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22:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 19:01:33.68 ID:bKqi92pu0
「……」

「……」

ずいぶん長いこと電車に揺られ続けている。
乗り継ぎに継ぐ乗り継ぎで日はすでにとっぷりと暮れており、人影もまばらである。
泊まる場所は見つかるだろうか。

「……」

「……」

しかし妙である。
快速を走らせる時間でもないだろうに、先ほどから一向に停車する気配がないのだ。
ちらとスマホを確認してみると、表示されている時間は23時23分であった。
俺は間違いなく新浜松駅23時40分発の電車にのっているのでこれはエラー表示である。
まさかアプリをダウンロードする際にでもウィルスに感染してしまったのだろうか。
場合によっては初期化をしなければいけないかもしれない、面倒だ。

「……」

「……」

貴音は肩をすくめ伏し目がちに対面側のシートを見つめ、身体を強ばらせている。
そんな姿を見せられてしまうと抱きしめたくてしょうがなくなるのだが、他の乗客もいる手前控えておく。
まあ俺たち以外は全員寝ているのでばれはしないと思うが。

「……」

「……」

貴音の声が聞きたくなったので、会話を試みる。

「あのさ」

「はい」

「なかなか止まらないね」

「……」

「ちょっと車内を見てこない」

「あなた様」

「な、なに……」

強い語調で言われ、少したじろぐ。

「ここに、居て下さいませ」

「わかった」

いじらしいなあ。


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