過去ログ - 貴音「こひのとらはれ」
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3:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 18:29:27.10 ID:bKqi92pu0
「本番五分前でーーーす」

スタッフさんの声が響き、スタジオ内の空気がよりいっそうとピリピリするのを感じる。
収録が毎週あることくらいわかっているはずなのに、テレビ番組の準備というやつは常に不足している。

慌ただしい空気の中に凛と咲く一輪の花、俺だけでなく誰しもがそう思うことだろう。
一輪の花の如く悠然と構えているのは、俺の担当アイドルである四条貴音だ。
数年前にデビューし、アイドルとしてまあ順当にステップを踏んでいたのだが、
ある事件をきっかけに猛スピードでスターダムを駆け上がることになる。

今やその活動範囲は女優、歌手、タレント、文筆と多岐に渡るものであり、
逆にいわゆるアイドルとしてのステレオタイプな仕事はほぼ鳴りをひそめていると言った状態だ。

それでありながら、貴音は今もアイドルという呼ばれ方にこだわり続けている。
短くない付き合いの中でわかったのだが、貴音は愛着心が強いのだ。
偏執狂的なラーメン愛好家として名を馳せているのはその好例である。
ひとつこれと決めたらそれ以外を拒絶してでも愛し続けるといった頑強さがある。
そんな貴音にとっては、アイドルという肩書きもまた寵愛すべき対象ということらしい。

そんなわけで暇な事務所でじゃんけんをしていた頃から一貫して貴音はアイドルであり
俺もまたプロデューサーであり続けているが、実情はまあ専属マネージャーみたいなものだ。


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