30:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 19:21:18.32 ID:bKqi92pu0
「……わたくしの父は、正暦のころ大江山にて打ち取られし鬼の首領」
「……」
「酒呑童子」
「……」
しゅてん、どうじ。
歴史の成績が散々だった俺でも、名前は聞いたことがある。
日本史上最強の、鬼。
「頼光とその四天王によってお父様の首は京に持ち去られました」
「……」
「しかし京人は、お父様の強さを、全き理解してはいませんでした」
「……」
「首を失っても、身体にはまだ、命が残っていたのです」
「……」
「ですが、もはや再起するだけの力はなく、逃れ付いたのがこの場所でした」
「きさらぎ……」
「はい」
「この地でお父様は石となり、その身体を永劫に癒し続けることを選んだのです」
「……」
「ここは、そのための禰(みたまや)」
「……」
「わたくしの役目は、お父様にあだなす者からここを守り続けること……でした」
「でした……って」
「わたくしは、お父様に背いてしまったのです」
「……」
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