過去ログ - 貴音「こひのとらはれ」
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31:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 19:23:42.69 ID:bKqi92pu0
「あのころのわたくしの毎日は、明けては花を数え、暮れては星を数える退屈なもの」

「……」

「もはや世の中はお父様のことを忘れてしまっていたのです」

「……」

「そんなわたくしの目の前に現れたのが……」

「……俺」

「はい」

「あなた様は、風の便りを聞きつけてこの地に辿り着いた」

「……」

「お父様を、斃すため」

「……」

「初めてあなた様に出会ったとき、わたくしは恐ろしくなりました」

「……」

「あのころのわたくしにとって、あなた様を殺めるなど雑作もないこと」

「……」

「ですが、この地で初めて人に会うまでに、わたくしは胡乱な時間を過ごしすぎてしまった」

「……」

「もしあなた様を殺めてしまえば、もう人がこの地を訪れることはないかもしれない」

「……」

「それに気付いたとき、わたくしはわたくしという存在の意味がわからなくなってしまいました」

「……」

「だから、逃げ出そうとした」

「……」

「ですが、所詮わたくしはお父様の力に縛られた身」

「……」

「逃げ出すことなど叶わない」

「……」

「ですが……」

「……」

「ですがあなた様は、お父様を斃すという使命を措いて、わたくしを救い出そうとして下さったのです」

「……」


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