過去ログ - 貴音「こひのとらはれ」
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36:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 19:35:21.52 ID:bKqi92pu0
「……」

「……」

長い、時間が過ぎた。
愛しい人の泣く姿を、ただただ眺めていなければいけないのは、つらい。
俺は今、貴音を抱きしめているんじゃない、抱きしめさせてもらっているのだ、いやしくも。
俺が代わりに泣くことができれば良いのに。
俺が代わりに背負うことができれば良いのに。
俺の、罪なのだから。

呼吸が、落ち着きを取り戻していく。
涙はもう、止まっている。
でも、俺の服にこぼれ落ちたそれは、まだ、乾かない。

背中をさすりながら、たずねる。

「どう、落ち着いた」

「はい」

「よかった」

よかった。

「あなた様」

「ん」

「わたくしはあなた様を愛しております」

「うん知ってる。俺も、貴音のこと、愛してる」

「ふふっ、存じ上げております」

「ははっ」

千年前からの、常識。

「……」

「……」

貴音はふたたび居ずまいを正し、俺を、見据える。

「まだ、お話しなければならないことがあります」

「うん」

知りたい。
なにもかも。
どこまでも。


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