49:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 20:04:04.06 ID:bKqi92pu0
石段を下りてふと気がつくと、俺たちはきさらぎ駅のホームに立っていた。
目の前に電車が止まっており、発射のベルが鳴り響く、急いで乗り込む。
この駅も、あの場所も、同じ場所だったのだ。
同じ場所でありながら、別の場所でもある。
人間に、それを理解する力はない。
だから、俺たちが今ここにいることは、そういうこと。
はなむけを、送ってもらったのだ。
がらんとした車内のシートに腰掛ける。
新たな一日を伝える光芒が、瞳孔を収縮させる。
左手を伝い、全身で貴音を感じる。
ふと、疑問がわく。
「あのさ」
「はい」
「ちょっと思ったんだけど」
「ええ」
「貴音って……いままでずっと、何歳だったんだ」
「わたくしの時間は……十七の時に、止まったままでした」
「そうか」
「はい」
そうか……
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