7:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 18:37:36.45 ID:bKqi92pu0
「コーヒー、飲むかしら」
「あ、どうもすいません……デ、ディレクターさん……」
激震である。
仕事をサボっていることが盛大ににHA☆KKA☆KUしてしまった。
誰だ「どーせ使いっ走り中の下っ端がサボり気分でふらりと寄ったというのが関の山だろう」とか言った奴。
「あら、どうしたのオカマでも見たような顔して」
いや、今はあなたが性的少数派であるなどということはどうでもいいのである。
この状況をどう取り繕うべきかと逡巡しているだけだ。
「いや、だって今収録中じゃないですか……」
「あら、あんただって担当してる女の子が今収録中じゃないの」
ああ言えばこう返されるのはわかっていた、十分にわかっていたのだ。
だが俺は口先でとっさに相手の矛先を逸らすのが苦手である。
大体の場合なにも言えずにそのまま斬りつけられるか、マズいことを言ってやっぱり斬りつけられる。
「それは……」
「あの子、今日はいつもより不安そうに見えたのよね」
「……」
「それもそのはず、公私を通じてのパートナーである愛しのプロデューサーさんがどこにもいない」
「……」
「今まで、どんな時だってあの子に付きっきりだったあんたがね」
「……」
「それで探しに来てみたら、こんなところでぼんやりしてたってわけ」
本当にそんな理由でわざわざ俺を捜しにきたというのだろうか。
なんとなく仕事をサボって休憩室に来てみたら面倒くさそうな奴がいたからつついてみただけではないか。
いやしかし現場責任者であるこの人がなんとなく仕事をサボるなどとは考えづらい。
今週の視聴者数が先週の視聴者数より五人少ないだけで偉い人にどやし付けられるのはこの人なのだ。
そんなことを考えていると、ディレクターさんはポケットから棒状のモノを取り出した。
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