9:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/04(水) 18:41:05.48 ID:bKqi92pu0
「あの、やっぱり一本貰ってもいいですか」
「どうぞ」
「すいません」
これはあれである、組長がおもむろに脱法ハーブを取り出したときに、
若頭がさっと火を付けるあのスタイルである。
問題は組長の役割(ロール)を下請け中小のヒラ企業戦士たる俺が担当して、
若頭の役割(ロール)を元請け大手の現場責任者たるディレクターさんが担当していること。
だが成り行き上こうなってしまってはもはや流れに身を任せる意外にない。
俺に渡した煙草に、ディレクターさんが火をつける。
息を吐き、火のついていない方を口に咥え、息を吸う。
「スーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……ゲホッゲホッゲホッ」
おえ。
なんだこれは。
嗚咽がこみ上げてくる。
「無理に吸うこたないわ」
「いや、無理にだなんて」
嘘である。
無理である。
おえ。
「どっからどう見ても無理」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……コホッコホッ」
「……貸しなさい、こんなもん身体に悪いだけなんだから」
取り上げられ、揉み消されてしまった。
いやまあ、俺が買ったもんじゃないから別に良いけどもったいなくはないのだろうか。
……間接キスされるよりはましか。
「……」
仕方がないので、コーヒーをすする。
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